歴史の話
「家」というと、男系によって家名が存続されていく制度というイメージがありますが、日本では古来より家名の存続において男子の血統は必ずしも重視されず、他氏からの養子縁組が、貴族・武士から庶民に至るまで頻繁に行われてきました。 しかし例外もあり、…
奈良県は中世から近世まで、時代ごとに特徴的な城郭が集中するホットスポットです。 およそ560あるとされる県内の城跡のうち、見学がしやすくおすすめの城跡を、日本の城郭発展の概要とともに紹介します。
奈良県平群町の椿井城跡は矢田丘陵南西の尾根上に築かれた山城跡で、その周辺や内部を紹介します。 築城年代は15世紀と見られ16世紀に大幅な拡張・改修が加えられたと見られます。 城主の名や、そもそも城がどのような名で呼ばれていたかも確かな史料がなく…
奈良県田原本町の保津環濠集落は集落を取り囲んでいた水堀が水路としてほぼ完存します。保津環濠集落の形成については灌漑、洪水対策とする説も有力ですが、出入り口の形や横矢掛りを設けた構造から、外敵に対する防衛対策が集落形成の背景にあったと考えら…
大阪市平野区の中心市街は、江戸時代まで平野郷と呼ばれた環濠集落です。 戦後、平野の中心的な商店街となった本町通には昭和レトロなアーケード街がある他、平野郷発祥の地である全興寺は、気軽に楽しく仏教の世界を体験できる施設がいくつもある楽しいスポ…
大阪市平野区の中心市街はかつて平野郷と呼ばれ、大阪府内で最も古い歴史を持つ集落の一つです。 町内のそこかしこに長い歴史を感じるスポットがあって、散歩がホントに楽しい町。今回は平野郷の西部を中心に大念佛寺や江戸時代まで町の繁栄を支えた商家の町…
大阪市平野区の中心街区はかつて巨大な環濠に囲まれた自治都市で、大阪市内では最も古くから集住が始まった町の一つです。 江戸時代の木綿産業による繁栄を偲ばせる旧舟入跡、大坂で最初の民間教育機関・含翠堂と奈良街道の沿いの町並みなどの旧跡をご紹介し…
大阪市平野区の中心街区は江戸時代まで平野郷と呼ばれ、大阪市内で最も古くから集落が形成された場所です。 中世には防衛のため集落全体を水堀で囲んだ環濠集落で、郷民による自治都市でした。 江戸時代も商業都市として繁栄し、今は堀はほとんど失われたも…
2023年大河ドラマ『どうする家康』の主人公・徳川家康が、その勝利によって天下の覇権を握った関ヶ原の戦いは、司馬遼太郎の『関ヶ原』などの小説やドラマなどの影響もあり、従来、家康必勝の戦いとしてイメージされることも多い合戦です。 しかし、近年発見…
奈良県天理市の龍王山城は奈良県下最大級の中世山城です。 北城、南城の二つの曲輪群からなる巨城で、北城は複雑な曲輪の構造や堀切、石垣などの遺構が残り、南城本丸は龍王山山頂で奈良盆地一望の絶景スポット。 大和の有力国人・十市氏の栄枯盛衰の舞台と…
京都府木津川市のJR上狛駅西側に広がる旧山城町中心地域は、中世の環濠集落と幕末以降発展した茶屋問屋街の町並みが残ります。 上狛環濠集落は京都府下最大級の環濠集落で、一部の環濠は農業水路として両行に残ります。環濠集落南側の茶問屋街には、幕末から…
奈良県上牧町の片岡城跡は、城域のほとんどが民有地で、以前は立ち入りできる場所がほとんどなく表面観察できる遺構も限られていましたが、近年城跡が整備され、主郭にも立ち入ることができるようになりました。 城跡には片岡城の往時の姿をCGで再現したAR(…
奈良県斑鳩町の紅葉の名所・竜田公園の東側一帯は、「賤ケ岳の七本鎗」の一人で、豊臣秀頼の家老であった片桐且元の居城・龍田城がありました。現在は城地のほとんどが住宅地となり、遺構は内堀の一部しか残されていませんが、古絵図と見比べながら現地を歩…
2023年大河ドラマの「どうする家康」でも、山場エピソードの一つとなるのが、本能寺の変後に堺から領国三河への決死の逃避行「神君伊賀越え」で、徳川家康人生最大の苦難の一つとされます。 堺を発った家康は山城から信楽、伊賀と経由して伊勢に抜けたという…
2022年11月に国史跡に指定された郡山城跡は、桜の名所として有名ですが、晩秋、柳沢文庫付近を中心に紅葉が鮮やかに色づきます。 郡山城の内郭を中心に見どころをご紹介します。
奈良県桜井市の札の辻、多武峰街道沿いに桜井魚市場の石碑があります。江戸時代、遠く熊野灘で水揚げされた鯖は大和の鯖街道を通って桜井まで運ばれ、三輪そうめんと並ぶ桜井の看板商品でした。多武峰街道沿いや桜井の地名由来の旧跡をご紹介します。
今回ご紹介する奈良県桜井市の中心市街は江戸時代にお伊勢参りで賑わった伊勢街道の宿場町でした。今も往時をしのぶ町屋をはじめとした江戸~昭和初期の建物や街道沿いの宿場町に特徴的な道筋がのこります。また、町内寺院には明治の廃仏毀釈で姿を消した興…
筒井順慶は戦国大和を代表する戦国武将ですが、一般的には「洞ヶ峠の順慶」として有名です。山崎の戦いでは日和見を決め込んで後日秀吉に叱責された優柔不断な武将というイメージが巷間流布していますが、実は山崎の戦いの結果に重大な影響を与える重要な立…
奈良県吉野町の飯貝御坊・本善寺は中世以来、吉野を中心とした本願寺教団の布教拠点だっただけでなく、大和国では一家衆寺院として最高の寺格を持って崇敬を集めました。境内には近世浄土真宗建築の特徴を伝える堂宇が建ち並び、春境内を彩る「懐桜」は大変…
現在では議会政治の場で公然と暴力を振るうことは考えられませんが、かつては議会政治において暴力は密接な関係にありました。吉田磯吉など現在なら暴力団の首領といえる人物が国会議員となり、政党政治家が博徒を糾合して公然と右翼団体を設立することもあ…
奈良県下市町の下市御坊・願行寺は奈良県で二つしか現存しない室町時代の枯山水の庭園のほか、室町から江戸中期までの建築が現存する浄土真宗寺院で、穴場の散策スポットです。 中世の本願寺教団が大和国で最初に教線を伸ばした吉野。その拠点寺院の一つが願…
コンプライアンスが徹底され全国各地に暴排条例が作られている昨今、ヤクザなどの暴力集団が公然と政治にかかわることは現在考えられないことになっています。 しかし、最近まで日本の政治と暴力は強く結びつき、それは日本の議会政治の発展とともにありまし…
お花の寺として有名な般若寺は初夏と秋のコスモスがとくに有名でコスモス寺の愛称で親しまれています。境内には国宝の楼門、重文の十三重宝塔があり境内に咲き誇るコスモスと堂宇のコントラストが美しいだけでなく、相次ぐ戦乱に晒され、平重衡、護良親王所…
新たな奈良の散策スポットとして注目されている「奈良きたまち」。その中でも京都府との府県境に近い奈良坂エリアは、多くの名所・旧跡が集中するエリアです。当記事では多聞山城跡や旧奈良監獄といった奈良坂エリアの注目スポットの見所などご紹介します。
皆さんこんにちは。 二つの中世城郭が敷地内に含まれる都市公園・平群中央公園。 前回は公園内の城跡のひとつ、下垣内城をご紹介しました。 www.yamatotsurezure.com 今回は公園内のもう一つの城跡、西宮城をご紹介します。 馴染み深いご近所の児童公園が、…
皆さんこんにちは。 奈良県平群町の平群中央公園は、多目的広場やテニスコートの他、ジョギングコースや巨大スライダーが目玉遊具の冒険広場など、大人から子どもまで楽しめる平群町民にはお馴染みの公園です。 実はこちらの公園、その敷地内に中世城郭の跡…
皆さんこんにちは。 中世、外敵の侵入を防ぐため集落のまわりを堀で囲んだ、いわゆる環濠集落が全国各地に出現しましたが、奈良県は中世以来の環濠集落が、現在も数多く残されていることで知られます。 県内の多くの環濠集落が、南北朝時代から戦国時代にか…
皆さんこんにちは。 筆者の地元、奈良県は飛鳥・奈良時代から伝わる建築や仏像彫刻の宝庫です。 法隆寺や薬師寺の東塔、興福寺の奈良、鎌倉時代の仏像群は、現在残っているだけでも貴重なうえに、その造形の素晴らしさからも、文化財として高い評価を受けて…
皆さんこんにちは。 今回は奈良県橿原市にある中世城郭、十市(とおいち)城の周辺を散策してきましたので、ご紹介します。 堀や土塁などの遺構はほとんど見当たりありませんでしたが、外郭の市場町であったと推定される、現在の十市町の集落は、遠見遮断の…
2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で主人公北条義時の最大の敵となる後鳥羽上皇は敗者ゆえに後世厳しい評価にさらされましたが、史上屈指の有能多彩な天皇でした。武者の世を決定づけた承久の乱も、後に倒幕を成功させた後醍醐天皇の倒幕計画に比べはるかに…