大和徒然草子

奈良県を中心とした散歩や歴史の話題、その他プロ野球(特に阪神)など雑多なことを書いてます。

歴史上の人物

思ってたんと違う(13)どうする家康!?誤算だらけの関ヶ原の戦い。

2023年大河ドラマ『どうする家康』の主人公・徳川家康が、その勝利によって天下の覇権を握った関ヶ原の戦いは、司馬遼太郎の『関ヶ原』などの小説やドラマなどの影響もあり、従来、家康必勝の戦いとしてイメージされることも多い合戦です。 しかし、近年発見…

思ってたんと違う(12)どうする家康!?神君伊賀越え~異説大和越えルート・決死の逃避行で大和を越えた家康

2023年大河ドラマの「どうする家康」でも、山場エピソードの一つとなるのが、本能寺の変後に堺から領国三河への決死の逃避行「神君伊賀越え」で、徳川家康人生最大の苦難の一つとされます。 堺を発った家康は山城から信楽、伊賀と経由して伊勢に抜けたという…

思ってたんと違う(11)「洞ヶ峠の順慶」にあらず。山崎の戦いのキャスティング・ボートを握った男・筒井順慶

筒井順慶は戦国大和を代表する戦国武将ですが、一般的には「洞ヶ峠の順慶」として有名です。山崎の戦いでは日和見を決め込んで後日秀吉に叱責された優柔不断な武将というイメージが巷間流布していますが、実は山崎の戦いの結果に重大な影響を与える重要な立…

思ってたんと違う(7)倒幕に失敗した後鳥羽上皇は日本史上屈指の帝王だった!?

2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で主人公北条義時の最大の敵となる後鳥羽上皇は敗者ゆえに後世厳しい評価にさらされましたが、史上屈指の有能多彩な天皇でした。武者の世を決定づけた承久の乱も、後に倒幕を成功させた後醍醐天皇の倒幕計画に比べはるかに…

鎌倉殿の13人~後世まで子孫が生き残り栄えたのは誰の家か

皆さんこんにちは。 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、今まで日本史では、戦国や幕末維新に比べて人気のなかった平安末期から鎌倉初期の時代が、にわかにスポットを浴びました。 このドラマのタイトルにある13人とは、鎌倉2代将軍源頼家のとき形成された…

忍性・慈悲に過ぎた窮民救済の超人的実践者

忍性菩薩像(称名寺蔵) 皆さんこんにちは。 忍性という僧をご存知ですか。 鎌倉時代に師匠、叡尊とともに戒律の復興運動に取り組んだ律僧として、日本史の教科書に載っていたなとご記憶の方もいらっしゃるかなと思いますが、同時代の鎌倉新仏教の開祖たちと…

叡尊~旧仏教の改革者か新仏教の開祖か

皆さんこんにちは。 鎌倉時代、それまでの南都六宗、天台宗、真言宗といった、国家から保護された旧来の仏教宗派から、新興の武士や一般庶民に広くその教えを広めていく、いわゆる鎌倉仏教の宗派がたくさん生まれました。 浄土宗の法然、その弟子で浄土真宗…

茶人大名、片桐石州のもてなしに触れる癒しの空間 慈光院

皆さんこんにちは。 今回は奈良県大和郡山市の禅宗寺院、慈光院をご紹介します。 ところで、皆さんは慈光院という寺院をご存知でしょうか。 茶道に詳しい方なら、或いはご存知の方も多いかもしれませんが、ピンとこない方も多いかもしれないですね。 慈光院…

二見城跡~名君にして暴君、五條に遺る松倉重政の事跡を巡る

皆さんこんにちは。 松倉重政という武将をご存知でしょうか。 安土桃山時代から江戸初期にかけて活躍した武将で、一般には肥前島原で苛烈なキリシタン弾圧と圧政を敷いて、江戸時代最大の反乱である島原の乱の原因を作った人物として知られています。 歴史小…

運慶(3)~神格化された名工

皆さんこんにちは。 日本の彫刻史上、最も有名な人物の一人として知られる運慶を取り上げて今回が3回目の記事になります。 前回は、壮年の運慶の活躍を中心にご紹介しました。 www.yamatotsurezure.com 新たな時代の支配者として台頭してきた東国武士と、親…

運慶(2)~大仏師運慶

皆さんこんにちは。 日本史上最も高名な仏師といえば、まず運慶の名が上がるでしょう。 日本仏像彫刻の一つの到達点とも評価され、「天才」の二つ名で語られることも多い運慶は、平安から鎌倉へと時代が移り、貴族に替わる新たな支配層、武士にその作風が愛…

運慶(1)~慶派誕生

皆さん、こんにちは。 運慶という仏師の名はご存知の方も多いでしょう。 同時代を生きたもう一人の著名な仏師快慶とともに、平安末期から鎌倉時代初頭にかけて、一世を風靡した仏師集団慶派の全盛を主導し、仏像表現に革命的な変化をもたらしたとされる人物…

奈良の人物~中世から現代

皆さんこんにちは。 2021年7月9日で当ブログも2周年になりました。 中世以降の奈良の歴史や遺構、街並みなどを中心にご紹介してきましたが、奈良県域ゆかりの歴史上の人物を、有名人から一般的な知名度の低い人物までこれまで数多く、とりあげてきました。 …

異端の天才、世阿弥はなぜ忘れられたのか(6)

史上最も有名な能楽師世阿弥は明治まで一般では完全に忘れられた存在でした。どうして世阿弥は忘れられたのか。その生涯を通じて解き明かします。最終回は世阿弥の死後の能楽はどうなっていったのか、そしてなぜ世阿弥はいったん一般社会から忘れられながら…

異端の天才、世阿弥はなぜ忘れられたのか(5)

史上最も有名な能楽師世阿弥は明治まで一般では完全に忘れられた存在でした。どうして世阿弥は忘れられたのか。その生涯を通じて解き明かします。5回目は将軍足利義教から疎まれついには佐渡に配流となった最晩年の世阿弥を紹介します。

異端の天才、世阿弥はなぜ忘れられたのか(4)

史上最も有名な能楽師世阿弥は明治まで一般では完全に忘れられた存在でした。どうして世阿弥は忘れられたのか。その生涯を通じて解き明かします。4回目は観世座の分裂と、孤高の芸術家となっていく世阿弥、そして最愛の後継者であった愛息元雅の死までをご紹…

異端の天才、世阿弥はなぜ忘れられたのか(3)

史上最も有名な能楽師世阿弥は明治まで一般では完全に忘れられた存在でした。どうして世阿弥は忘れられたのか。その生涯を通じて解き明かします。3回目は義満死後の世阿弥の苦境と、世阿弥の目指した能が当時の社会に受け入れられず徐々に孤立していく姿をご…

異端の天才、世阿弥はなぜ忘れられたのか(2)

史上最も有名な能楽師世阿弥は明治まで一般では完全に忘れられた存在でした。どうして世阿弥は忘れられたのか。その生涯を通じて解き明かします。2回目は少年期の世阿弥と室町殿足利義満との出会いから、父観阿弥死後の苦闘、そして義満の死までを紹介します…

異端の天才、世阿弥はなぜ忘れられたのか(1)

史上最も有名な能楽師世阿弥は明治まで一般では完全に忘れられた存在でした。どうして世阿弥は忘れられたのか。その生涯を通じて解き明かします。初回は父観阿弥がもたらした猿楽の革新と世阿弥の出生までを紹介します。

キリスト教伝道者となった真珠湾攻撃総隊長、淵田美津雄(9)

皆さんこんにちは。 真珠湾攻撃の空中攻撃隊総隊長を務め、戦後キリスト教への信仰に目覚めて伝道の道に入った淵田美津雄の数奇な生涯をご紹介して、今回9回目。最終回となります。 www.yamatotsurezure.com 敗戦で軍人として職を失い、東京裁判では勝者によ…

筒井順慶とは何者か

皆さんこんにちは。 2020年大河ドラマ「麒麟がくる」にいよいよ筒井順慶が登場しました。 戦国時代に関心がある方なら、名前くらいは聞いたことがある、という人も多いかもしれないですが、ドラマや小説などに取り上げられることも少なく、一般的な知名度は…

キリスト教伝道者となった真珠湾攻撃総隊長、淵田美津雄(8)

皆さんこんにちは。 日米開戦の火蓋を切った真珠湾攻撃。 その空中攻撃隊総隊長、淵田美津雄をご紹介して今回8回目です。 www.yamatotsurezure.com 敗戦とともに公職追放となって、故郷奈良に帰った淵田。 恩給も止められ経済的には困窮しつつも、家族ととも…

キリスト教伝道者となった真珠湾攻撃総隊長、淵田美津雄(7)

皆さんこんにちは。 真珠湾攻撃総隊長として、日米開戦の火蓋を切り、戦後キリスト教伝道者となった淵田美津雄をご紹介して今回7回目になります。 www.yamatotsurezure.com 1945(昭和20)年8月5日、連合艦隊航空主席参謀であった淵田は、出張で広島を訪れ、…

歴史上の人物に見る「逃げ恥」

皆さんこんにちは。 「逃げるは恥だが役に立つ」といえば、2016年にTBS系でドラマ化され、主題歌も大ヒットした漫画のタイトルですね。 もとはハンガリーのことわざで、恥ずかしい逃げ方だとしても、生き抜くことが大切であることを意味します。 「逃げる」…

キリスト教伝道者となった真珠湾攻撃総隊長、淵田美津雄(6)

皆さんこんにちは。 真珠湾攻撃の現場総指揮官、淵田美津雄を紹介している当記事も、今回6回目です。 1942(昭和17)年6月、日本はミッドウェー海戦で主力空母4隻と多数の航空機を失って大敗します。 www.yamatotsurezure.com 第一航空艦隊旗艦、赤城の飛行…

キリスト教伝道者となった真珠湾攻撃総隊長、淵田美津雄(5)

皆さんこんにちは。 真珠湾攻撃の空中攻撃隊総隊長、淵田美津雄をご紹介して今回5回目です。 www.yamatotsurezure.com 真珠湾攻撃から始まった太平洋戦争の序盤戦、日本は瞬く間に南太平洋を席捲し、アメリカ、イギリスを圧倒しました。 敗戦続きのアメリカ…

天下人を支えたナンバー2。大和大納言、豊臣秀長

皆さんこんにちは。 成功する組織には優れたリーダーはもちろんですが、優秀な補佐役となるナンバー2がいるものです。 織田信長の覇業を継承して、天下人となった豊臣秀吉。 下層階級の出身から武士となったと考えられる秀吉が、第一の家臣として、終生最も…

キリスト教伝道者となった真珠湾攻撃総隊長、淵田美津雄(4)

皆さんこんにちは。 真珠湾攻撃の現場総指揮官、淵田美津雄をご紹介して今回4回目です。 徹底した隠密行動で真珠湾奇襲を成功させた、日本海軍の第一航空艦隊は、アメリカ太平洋艦隊の主力戦艦の多くを撃沈、大破させ、所期の作戦目的を達成しました。 www.y…

明智光秀と奈良

皆さんこんにちは。 2020年大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公として、脚光を浴びている明智光秀。 彼のゆかりの地といえば、領地のあった近江坂本や、丹波亀山、福知山が有名でしょうか。 奈良県域の話題や歴史的な出来事をご紹介する当ブログとは一見無縁の…

キリスト教伝道者となった真珠湾攻撃総隊長、淵田美津雄(3)

皆さんこんにちは。 真珠湾攻撃隊の総隊長、淵田美津雄をご紹介しています。 日中戦争が泥沼化する中、中国、東南アジアへの日本軍の進出をめぐり、日米は一触即発の緊張関係となっていました。 www.yamatotsurezure.com 1941(昭和16)年11月26日、給油艦6…