大和徒然草子

奈良県を中心とした散歩や歴史の話題、その他プロ野球(特に阪神)など雑多なことを書いてます。

寺社

コロナ禍からアジサイ園復活!あじさい寺・矢田寺(2023年情報もあります)

皆さんこんにちは。 今回は、アジサイの名所矢田寺で、コロナ禍で去年、一昨年と中止されていたアジサイ園が、3年ぶりに復活しましたので、その様子をご紹介します! ※矢田寺の詳細については、過去記事で紹介しておりますので、こちらも併せてご一読いただ…

仏法の種をまいた名僧、高田好胤(9)

皆さんこんにちは。 百万巻の写経勧進による白鳳伽藍復興という空前の事業を興した、薬師寺管長高田好胤とはどのような人物だったのか。 景観問題を乗り越え、1981(昭和56)年4月1日、ついに西塔は再建されました。 www.yamatotsurezure.com 西塔落慶法要の…

雪丸の寺、王寺町の達磨寺は見所がギュッと詰まった名刹

皆さんこんにちは。 今回は王寺町の観光プロモーション動画でも有名になった、雪丸ゆかりのお寺、達磨寺をご紹介します。 こちらが話題になった空飛ぶ雪丸の動画。今見てもかわいいです。 www.youtube.com 達磨寺はコンパクトな境内に、見所がギュッと詰まっ…

仏法の種をまいた名僧、高田好胤(8)

皆さんこんにちは。 百万巻の写経勧進による白鳳伽藍復興という空前の事業を興した、薬師寺管長高田好胤とはどのような人物だったのか。 金堂落慶のあと、景観破壊との批判を乗り越え、西塔再建を開始した薬師寺。 www.yamatotsurezure.com 白鳳伽藍復興に向…

仏法の種をまいた名僧、高田好胤(7)

皆さんこんにちは。 百万巻の写経勧進による白鳳伽藍復興という空前の事業を興した、薬師寺管長高田好胤とはどのような人物だったのか。 金堂再建の最後の難関であった木材の調達をクリアし、無事起工式と上棟式を終えて、工事は順調に進みました。 www.yama…

美しき三重塔。謎多き寺院、奈良県広陵町の百済寺

皆さんこんにちは。 奈良県内にはたくさんの美しい寺院建築があります。 法隆寺や興福寺など世界的に有名な場所もたくさんありますが、観光地としてあまり知られていない場所でも、見事な建築があるあたりが、奈良の底知れぬ魅力かと思います。 今回ご紹介す…

仏法の種をまいた名僧、高田好胤(6)

皆さんこんにちは。 百万巻の写経勧進による白鳳伽藍復興という空前の事業を興した、薬師寺管長高田好胤とはどのような人物だったのか。 前回は金堂再建のために講演と写経勧進に東奔西走する好胤と、日本建築界を代表する碩学たちが結集し、不世出の宮大工…

仏法の種をまいた名僧、高田好胤(5)

皆さんこんにちは。 百万巻の写経勧進による白鳳伽藍復興という空前の事業を興した、薬師寺管長高田好胤とはどのような人物だったのか。 前回はいよいよ薬師寺管長となった好胤が、その晋山式で多くの聴衆を前にして金堂の復興を誓い、写経勧進によって浄財…

茶人大名、片桐石州のもてなしに触れる癒しの空間 慈光院

皆さんこんにちは。 今回は奈良県大和郡山市の禅宗寺院、慈光院をご紹介します。 ところで、皆さんは慈光院という寺院をご存知でしょうか。 茶道に詳しい方なら、或いはご存知の方も多いかもしれませんが、ピンとこない方も多いかもしれないですね。 慈光院…

仏法の種をまいた名僧、高田好胤(4)

皆さんこんにちは。 百万巻の写経勧進による白鳳伽藍復興という空前の事業を興した、薬師寺管長高田好胤とはどのような人物だったのか。 前回は、結婚、そしてテレビ出演によって全国的な知名度を得るようになり、薬師寺副住職として活躍する好胤の姿をご紹…

忽然と消えた西の日光、内山永久寺の跡を巡る(永久寺跡~石上神宮~なら芸術文化村)

皆さんこんにちは。 現在の奈良県天理市にあった内山永久寺は、江戸時代までは大和国の中でも屈指の大寺院であったにもかかわらず、明治の廃仏毀釈で跡形もなく消え去った寺院として知られます。 内山永久寺のあった場所はこちら。石上神宮の南側にありまし…

仏法の種をまいた名僧、高田好胤(3)

皆さんこんにちは。 百万巻の写経勧進による白鳳伽藍復興という空前の事業を起こした、薬師寺管長高田好胤とはどのような人物だったのか。 前回は、学徒出陣からの復員と復学、大学卒業後に薬師寺副住職となり、修学旅行に訪れる生徒たちへ「青空説法」を始…

江戸から昭和にかけての町並みが残る寺内町、大和高田

皆さんこんにちは。 これまで、今井、田原本、箸尾といった奈良県内の寺内町ルーツの町をご紹介してきた当ブログですが、今回は大和五ヶ所御坊の一つ、専立寺の寺内町から発展を遂げた大和高田市中心市街をご紹介します。 ※これまでの寺内町の記事も是非お読…

仏法の種をまいた名僧、高田好胤(2)

皆さんこんにちは。 壮麗な復興伽藍で知られる奈良薬師寺。 この白鳳伽藍再建を開始したのが、薬師寺管長であった高田好胤です。 度重なる戦災と明治の廃仏毀釈に飲み込まれ、一時は住職も不在となった薬師寺を復興した高田好胤とはどのような人物であったの…

仏法の種をまいた名僧、高田好胤(1)

皆さんこんにちは。 奈良の西ノ京にある世界遺産・薬師寺。 奈良時代から残る国宝の東塔や鎌倉時代築の重文・東院堂などの古くから残る貴重な建築だけでなく、創建以来の度重なる火災や自然災害、兵火により失われた大伽藍を復興したことでも名高い名刹です…

あじさい寺でお遍路!矢田寺四国八十八ヶ所霊場巡り

皆さんこんにちは。 さて、以前あじさい寺として有名な奈良県大和郡山市にある矢田寺をご紹介した時、ミニ遍路道があるとご紹介しました。 www.yamatotsurezure.com 今回念願かなって矢田寺のミニ遍路で「結願」することができましたので、へんろ道をご紹介…

額安寺~平端 額田部の郷を巡る

皆さんこんにちは。 以前、中世武家館城の面影を残す「中家住宅」をご紹介しました。 www.yamatotsurezure.com 中家住宅のほど近くを、中世から近世にかけて、奈良と五條を結ぶ下街道が通っています。 中家住宅から下街道に沿って北東、郡山の方へ少し進むと…

箸尾城と教行寺~中世城下町から近世寺内町へ

皆さんこんにちは。 今回は、近鉄箸尾駅の南側に広がる箸尾の町をご紹介したいと思います。 場所はこちら。馬見丘陵公園の東側になります。 一般的な観光地ではない地区なのですが、北和と南和をつなぐ下街道が町内を南北に貫き、中世、筒井氏、越智氏、十市…

中世武家居館の面影を残す中家住宅と伝多聞山城門

皆さんこんにちは。 奈良県は稗田環濠集落をはじめ、中世環濠が良好な形で残っている例が多いことで知られていますが、中世武士の居館の佇まいを、現代に伝える場所があることをご存知でしょうか。 奈良県安堵町の「中家住宅」は、二重の堀がほぼ完全な形で…

運慶(3)~神格化された名工

皆さんこんにちは。 日本の彫刻史上、最も有名な人物の一人として知られる運慶を取り上げて今回が3回目の記事になります。 前回は、壮年の運慶の活躍を中心にご紹介しました。 www.yamatotsurezure.com 新たな時代の支配者として台頭してきた東国武士と、親…

僧兵とは何か~中世寺院の仁義なき戦い

平安末期から中世にかけ、武士と時を同じくして現れた「僧兵」。 彼らはどのように生まれ、何をしたのかを詳しく解説します。

運慶(2)~大仏師運慶

皆さんこんにちは。 日本史上最も高名な仏師といえば、まず運慶の名が上がるでしょう。 日本仏像彫刻の一つの到達点とも評価され、「天才」の二つ名で語られることも多い運慶は、平安から鎌倉へと時代が移り、貴族に替わる新たな支配層、武士にその作風が愛…

運慶(1)~慶派誕生

皆さん、こんにちは。 運慶という仏師の名はご存知の方も多いでしょう。 同時代を生きたもう一人の著名な仏師快慶とともに、平安末期から鎌倉時代初頭にかけて、一世を風靡した仏師集団慶派の全盛を主導し、仏像表現に革命的な変化をもたらしたとされる人物…

奈良県の「ここだけ」の話、「一番」の話

皆さんこんにちは。 奈良県といえば、古代ロマンあふれる史跡や趣のある古社寺、豊かな大自然といった豊富な観光資源を誇る、観光県というイメージが強いと思います。 また、大都市圏である京阪神地区へのアクセスの良さから、ベッドタウンというイメージを…

思ってたんと違う。(2)廃仏毀釈

皆さん、こんにちは。 突然ですが、廃仏毀釈ってご存知でしょうか。 仏教を排撃して、寺院を破壊したり、仏像、仏典を破棄したりすることを指しますが、1868(慶応4)年に布告された神仏分離令をきっかけに、明治初頭、神道国教化運動の中で仏教が排撃を受け…

法起寺のコスモス

皆さんこんにちは。 秋も深まり、朝晩も冷え込んできました。 この時期の代表的な花に、コスモスがありますが、私の自宅のご近所にある斑鳩町の世界遺産、法起寺周辺は、近年すっかりコスモスの名所になってきているようですね。 私にとっては2015年に12年ぶ…

江戸を造った法隆寺番匠 中井正清

皆さんこんにちは。 飛鳥時代からの建築が今なお健在な法隆寺。 この建築を支えてきたのが、代々法隆寺に奉仕してきた番匠(宮大工)たちです。 法隆寺が生んだ不世出の宮大工といえば、昭和の大修理や薬師寺の伽藍復興で活躍した、西岡常一棟梁を思い浮かべ…

大和一向一揆。戦国大和の宗教戦争

皆さんこんにちは。 一向一揆というと、加賀一向一揆、長島一向一揆、歴史マニアの方なら三河一向一揆などが有名ですね。 興福寺の勢力が強かった奈良、大和国とは一見無縁のようにも見えますが、実は興福寺や筒井氏をはじめとする国人達と本願寺門徒たちの…

「法隆寺の鬼」と呼ばれた男。最後の法隆寺宮大工、西岡常一(5)

皆さんこんにちは。 不世出の宮大工、西岡常一棟梁をご紹介してきた当記事も今回が5回目で、最後となります。 薬師寺では金堂と西塔が再建され、その後も伽藍復興が続くことになります。 www.yamatotsurezure.com 常一は引き続き薬師寺棟梁として、この大事…

「法隆寺の鬼」と呼ばれた男。最後の法隆寺宮大工、西岡常一(4)

皆さんこんにちは。 最後の法隆寺宮大工棟梁、西岡常一棟梁の足跡をご紹介する記事の今回は4回目です。 www.yamatotsurezure.com 戦後、法隆寺金堂の復元修理を終えた後、広島県福山市の明王院の解体修理、法輪寺三重塔の再建に参加していた常一ですが、いよ…