大和徒然草子

奈良県を中心とした散歩や歴史の話題、その他プロ野球(特に阪神)など雑多なことを書いてます。

コロナ禍からアジサイ園復活!あじさい寺・矢田寺(2023年情報もあります)

皆さんこんにちは。

 

今回は、アジサイの名所矢田寺で、コロナ禍で去年、一昨年と中止されていたアジサイが、3年ぶりに復活しましたので、その様子をご紹介します!

※矢田寺の詳細については、過去記事で紹介しておりますので、こちらも併せてご一読いただければと思います。

www.yamatotsurezure.com

平日午前中に訪れましたが、たくさんの参拝客の皆さんが、アジサイを楽しんでおられました。

境内

境内に入ると、そこかしこに咲く、色とりどりのアジサイが出迎えてくれます。

矢田寺のアジサイは、1965(昭和40)年頃から境内に植え始められました。

今でこそアジサイは、多くの人に愛される花となっていますが、人気が出始めたのは、ちょうど矢田寺でアジサイが植えられ始めた頃。メジャーな花となったのは意外に最近なんですね。

元々アジサイは日本原産の花。

万葉集の歌にも出てくるほど、古代から日本人には馴染みのある花でしたが、花弁が4枚であることや、古来疫病などで多くの死者を出す梅雨時に咲くため、縁起が良くない花と見られたこともあって、長らくいまいち人気のでない花でした。

庶民の植木が流行した江戸時代でも、栽培が比較的容易なことから、植木職人たちが興味を示さず、日本では品種改良されることもありませんでした。

アジサイが最初に流行したのは、意外なことにヨーロッパ。

博物学者としても知られるシーボルトがヨーロッパに持ち帰り、当時世界の珍しい花を収集、珍重する風潮も手伝って、「東洋のバラ」として大流行したのです。

アジサイは土壌の性質で色が変わります。中性~弱アルカリ土壌が比較的多いヨーロッパでは、白や赤く咲くアジサイが多かったので、バラに見立てられたんじゃないでしょうか。

ヨーロッパで品種改良されたセイヨウアジサイは、明治になって日本にも逆輸入されるようになりますが、ようやく人気が出始めるのが、1960年代。

この時期、高度経済成長によるレジャーブームが巻き起こり、寺社に神仏への礼拝ではなく、花を目当てに参拝するスタイルが新たに生まれたことがきっかけで、鎌倉の明月院などのアジサイが非常に有名になりました。

矢田寺に多くのアジサイが植えられたのもこの頃で、関西では最初期に、花の寺、アジサイの寺として、人々に親しまれるようになったお寺の一つになります。

 

現在約60種、10,000株のアジサイが5月末から7月上旬ごろまで、参拝者の目を楽しませてくれます。

本堂裏にも多くのアジサイが咲いています。

グラデーションになってて綺麗ですね。

お地蔵さんとアジサイ。矢田寺といえばお地蔵さんです。

閻魔堂から大師堂にかけてのアジサイ

お遍路入口付近のアジサイ。実は矢田寺には、ミニお遍路があるのです!

1時間ほどで結願できる矢田寺のミニお遍路。

矢田寺四国八十八ヶ所霊場巡りの詳細ついては、以下の過去記事もご一読いただければと思います。

www.yamatotsurezure.com

足元だけ、スニーカーなどハイキングに適したものであれば、軽装で気軽に踏破できるコースになっていますので、アジサイ鑑賞の際はぜひともこちらも、歩いてみられることをお勧めします。

 

境内奥の舎利堂の周りも多くのアジサイが咲いていました。

 

アジサイ

境内の南側、沢の流れる窪地斜面にアジサイが広がっています。

花のテラス」からの眺望。

見渡す限り、アジサイアジサイアジサイ!!圧巻のアジサイ園です。

アジサイ園を流れる沢。マイナスイオンいっぱいの空間で気持ちいいです。

アジサイに囲まれた小径を辿り、回遊できるようになっています。

斜面一面にアジサイが広がります。

アジサイ園の南側斜面の動画を撮ってみました。

youtu.be

色とりどりのアジサイをゆっくりと楽しむことができる庭園。一周するのに3~40分程度でしょうか。

アジサイ園の出口付近。

実は、筆者の超地元ながら、30年以上ぶりの訪問になりました。

以前より、ずっとアジサイの数も増え、参拝の方々も増えているなと感じました。

ブログを始めてから、是非ともアジサイの季節をご紹介したいと思っていたんですが、折からのコロナ禍で2年続けてお預けとなり、今年ようやくご紹介できて本当に嬉しいです。

 

アクセス・拝観料等

矢田寺の場所はこちらになります。

アジサイの期間は奈良交通の臨時バスが、近鉄郡山駅法隆寺駅から出ています。

 

2023年の運行予定は以下の通り。

 

1.運行期間  令和5年6月1日(木)~25日(日)の毎日
2.運行路線
(1)近鉄郡山駅⇔矢田寺前(所要時間約20分)運賃:大人片道380円
(2)JR法隆寺駅⇔矢田寺前(所要時間約23分)運賃:大人片道440円

※時刻表等の詳細はこちらの奈良交通公式HPからご確認ください。 

 

自家用車で来られる場合は、門前の民営駐車場をご利用ください。

※駐車料金は凡そ500円程度になります。

土日は駐車場の混雑も見込まれるので、公共交通機関のご利用がおすすめです。

 

また、矢田寺は通常境内への入山は無料なのですが、アジサイ園が開園している期間は入山料が必要になります。

大人:700円小学生:300円となります。

 

2023年のアジサイ園開園予定は、5月27日~7月2日とのこと。

www.yatadera.or.jp

早朝から入山可能ですが、受付に人がいない場合は、お帰りの際に入山料のお支払いをお願いします。

 

また、矢田寺北僧房ではランチにおいしいカレーや、精進料理をいただくこともできます。

kitasoubou.com

矢田寺は丘陵地の起伏に富んだ自然の地形を、巧く活かしたアジサイ園の植栽が本当に見事。各種のアジサイ名所ランキングでも、西日本では常に上位にあるのが、納得のスポットです。

 

ぜひ多くの人に、鑑賞いただきたいです!

 

■近隣ランチ情報

・角砂糖

昭和レトロな店内で美味しい洋食ランチが楽しめる喫茶店で、自慢のコーヒーもお好みの味の豆を提案してくれます。

アジサイの季節は週末を中心に混雑が予想されますので、予約がおすすめです。