奈良県で観光地といえば、奈良の東大寺の大仏、興福寺、斑鳩の法隆寺など、古代から伝わる寺社のイメージが根強いですね。
そんな中、今日ご紹介するのは奈良県の北部、大和郡山に残る城跡です。
「奈良で城跡?」と言われてもピンとこない方も多いのではと思いますが、 安土桃山時代の遺風を伝えるお城が「大和郡山城」です。
どんなところ?
郡山城は近鉄郡山駅から北へ10分から15分くらいの場所にあります。
城跡は2017年に「続日本100名城」に選ばれ、桜の名所としてもよく知られます。
櫓や門はすべて復元ですが、石垣、堀は往時の威容を今に伝えます。
ちなみに法印曲輪に建っている城址会館がよく天守閣と間違えられますが、これは旧奈良県立図書館の建物を移築したもの。
これはこれで明治築なので貴重な建築物で奈良県指定文化財になってます。
城址公園内には当時の木造遺構は残ってないのですが、幕末に郡山城から移築された門が、城跡の西に位置する永慶寺の山門として残っています。
こちらの山門は秀長時代に造られたといわれ、安土桃山時代の城門建築様式を伝える貴重な遺構で、城跡を訪れた際はぜひ見ていただきたいポイントです。
ちなみに大和郡山市内に現存する郡山城の遺構のうち唯一の木造遺構となります。
郡山城の城塞としての歴史は古く、平安末期に「雁陣之城」が郡山衆によって築かれたのが文献上の初見です。
当時は小さな砦のようなものだったと考えられます。
現在のような立派な城郭となるのは安土桃山時代、筒井順慶が本拠地を郡山に移したことがきっかけとなり、その後、豊臣秀吉の弟、秀長が100万石の太守としてはいると、現在の城郭の原型が出来上がりました。
明治維新を迎え廃城となり、建築物はすべて取り除かれましたが、城址公園を中心に内郭の石垣と堀が良好に残っており、見どころとなってます。
特に桜の時期は、桜と石垣、堀のコントラストが非常に美しいです。
見どころは?
桜ももちろん見どころなのですが、少し「通」な郡山城の楽しみ方が天守台に使われている「転用石」です。
郡山城を建設した当時、大和国は石垣に適した石が少なかったため、近隣から多数の石地蔵や平城京の門の礎石にいたるまで石垣の石に「転用」されました。
安土桃山時代の建造らしく野面積みの武骨な石垣をよくよく眺めながら転用石を探すのがこの天守台の大きな楽しみ方の一つと言えます。
転用石の中で有名なのが、天守台北側にある「さかさ地蔵」です。
今では案内板もきれいになり簡単に見つけられます。
以前は仄暗い森の中でたくさんの卒塔婆が立てかけられている光景はたいへん不気味でした。
暗い森の中で、石垣の隙間をのぞき込むと逆さまのお地蔵さまが見えるのはちょっとした恐怖体験でした。
今は大変開放感のある場所に生まれ変わり、観光で来られるお客さんも気軽に訪れやすい場所に生まれ変わりましたので、ぜひご覧いただきたいです。
おすすめの桜スポット
最後に郡山城のおすすめの桜スポットを2か所ご紹介したいと思います。
まずは城跡西側の鰻堀。
こちらはお堀の上に遊歩道が設けられて、堀の中から桜を楽しめます。
しかも、4月の「お城まつり」で大変混雑するときでも、こちらは地元の人以外ほとんど来ない場所なので、ゆっくりと満開の桜と桜のトンネルの潜り抜けができます。
次が郡山高校の南側に残る鷺池堀。
ここの桜は素晴らしいです!
鰻堀、鷺堀は水堀の水量も多くて、水面に映る桜も非常に美しいです。
簡単ですが、ここまで郡山城をご紹介してきました。
桜の季節はもちろん素晴らしいですが、桜の季節を外すと推定てゆっくり回れる穴場スポットと思います。
次回は郡山の城下町をご紹介したいと思います。
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