皆さん、こんにちは。
前回大和郡山をご紹介した記事では、町の中に残るお城の遺構を中心にご紹介しました。
今回は江戸の城下町の風情が残る場所を尋ねてみたいと思います。
さて、大和郡山の城下町の基本的な形は1585年に豊臣秀吉の弟で豊臣政権の重鎮であった豊臣秀長が100万石の太守として入府したあと、奈良での商売を禁止し、城下の郡山に商業地を集中させることで造られました。
その町割りは「本町、魚塩町、堺町、柳町、今井町、綿町、藺町、奈良町、雑穀町、茶町、材木町、紺屋町、豆腐町」からなる「箱本十三町」で形成され、現在も同じ町割りが残っています。
今回はその中から「柳町」と「紺屋町」にスポットを当ててお話ししましょう。
かつての街道筋、柳町通り
まずは、かつて大阪から奈良に向かう竜田越奈良街道に面していた柳町です。
街道筋のため江戸時代以来メインストリートといえる場所で、街道に沿って南北に細長い町です。
上の写真の場所、4丁目の南端に柳町大門という城門があり、郡山城外郭の南の入り口でした。
この柳町大門を出てすぐ街道は分岐し、西に向かえば竜田越奈良街道、そのまま南に向かうと高田、五條を経て和歌山へ通じる下街道(しもかいどう)へと通じていました。
街道が交差する要衝です。
写真左手に見えるのが「和田徳呉服店」。現在は営業されませんが非常に立派な建物で有形文化財に登録されています。
私が小学生くらいのときは人通りも多くそれなりに賑わいもあった通りでしたが、今は少し寂しい商店街になっています。
結構自動車の交通量が多く、そういう場所はどこの町でもやはりさびれやすい気がします。
※と言いつつこの道を抜け道に使うことも私自身あるのですが^^;
昔から衣料品店が多かったのですが、今では市内小中学校の制服を扱うお店以外はほとんどしまっている感じですね。
学校の制服を扱っているお店ってやはり強いです。
私もほとんど郡山の街中で買い物しなくなっておりますが、子供の幼稚園の制服などはこのあたりで買いそろえました。
商店街としては現在苦戦している感じの柳町4丁目界隈ですが古い商家風の建物が多く残っていて、散策の見どころと思います。
また、こういった古民家をリノベーションした古本屋さんや、廃業したガソリンスタンドを改装したコーヒー屋さんなども最近出来ていて、新たな波で町の活性化に取り組んでらっしゃいます。
個人的には日曜だけでも歩行者天国か、そとから自動車が入れないようにして「歩きやすい」町にすれば、風情を生かせる町にできるんじゃないかと思います。
こちらは柳町2丁目付近にある、自動改札型の金魚のオブジェです。
大和郡山といえばやはり金魚。
町のいたるところに金魚の意匠を凝らしたマンホールやガードレールなどを目にします。
大和郡山で金魚のオブジェといえば、先述の4丁目、大門跡のあたりに電話ボックスの中で金魚が泳ぐオブジェも人気あったのですが、著作権でトラブルになり残念ながら今は撤去されました。
最近この著作権トラブルも、侵害を訴え出た作家側が地裁で敗訴したので、この判決が確定したらまた復活してくれないかなと思ったり、ただまあ最高裁まで争われたら先は長いですね。
大和郡山の活性化で金魚は大事なコンテンツですが、今一つ活用しきれていないなあと感じてます。
東京だと「アートアクアリウム」など金魚をメインにしたイベントなども盛況ですし、郡山でも同様のイベントを開催できないものでしょうか。
夏場に城址公園とかでライトアップした金魚の水槽のイベントとかしたら涼しげでよいと思ったりするのですが・・・。
柳町も近鉄郡山駅に近い2丁目付近になると人通りも多く、お店もたくさん開いてます。
最近は写真のような城下町の散歩を楽しむ観光客も徐々に増えて、休憩に利用できるお店も増えました。
こういうお店は私が学生だった20年くらい前にはあまりなかったと思います。
水路が残る紺屋町
柳町1丁目と2丁目の間で東西に直行しているのが紺屋町。
街路の中央に水路が残り、江戸の風情を現在に伝える通りになっています。
このような水路はたいてい近代化のなかで埋められてしまうのですが、石組みの水路と橋が残っていて江戸の風情を残す貴重な景観です。
紺屋町にあるお土産屋「こちくや」さんです。
大和郡山のお土産をはじめ、金魚すくいを年中楽しむことができます。
大和郡山がメディアで紹介されるときは、よく取り上げられる有名なお店です。
紺屋町と藺町(いのまち)通りの交差点付近に、江戸時代から続いた藍染め商の町屋を再利用した施設、「箱本館紺屋」があります。
藍染めの小物や金魚が展示されていて、気軽に立ち寄って江戸時代の町屋の中を見学できます。
老舗の和菓子屋さん「御菓子司 本家菊屋」
城跡から城下町を散策してきて、そろそろ疲れたな~というとき、休憩にぴったりのお店があります。
柳町通りの北の突き当り、郡山城の城の口にあります、天正13年(1585年)創業の老舗の和菓子屋さん「御菓子司 本家菊屋」さんです。
1585年といえば、秀長が入場したその年に創業なので本当に長い伝統を誇る老舗です。
上のGoogleストリートビューでご覧いただけるとわかるのですが、とても風情のある立派な店構えで、こちらの本店では軒先でお菓子をいただくこともできます。
菊屋さんの創業以来の名物が、豊臣秀吉が名付けたとされる「御城之口餅」こと「うぐいす餅」です。
あんこがいっぱいですが、ほんのり上品な甘さで、お茶と非常によく合います。
地元ではお土産品としてド定番になります。
あと、個人的に一番好きなのは「菊之寿」というお饅頭。
好きすぎて今でも「自分用」に買うほどです。
生地に練乳が入っていてほんのり甘く、少しイメージが近いのは「博多とおりもん」でしょうか。
洋和菓子という感じで、小さなお子さんからお年寄りまでおいしく食べられます。
ここまで、大和郡山の城下町のご紹介をしてきましたが、他にも風情ある街並みが残る場所があります。
それは次の機会にご紹介しようと思います。
ご覧いただいてありがとうございました。
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