大和徒然草子

奈良県を中心とした散歩や歴史の話題、その他プロ野球(特に阪神)など雑多なことを書いてます。

第60回お城まつり(大和郡山)に行ってきました

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皆さんこんにちは。

 

奈良県大和郡山市の一大イベントである「お城まつり」は、毎年3月下旬から4月初旬に、「日本さくら名所100選」にも選ばれている郡山城で開催されています。

昨年は新型コロナウィルス感染症の流行で、残念ながら中止になってしまいましたが、今年は2年ぶりに開催されました。

今年は桜の開花が非常に早く、3/27(土曜)あたり満開だったかと思われますが、所用で訪問できず、3/28(日曜)はあいにく雨(泣)

3/29(月曜)、午後から休みが取れたので、郡山城を家族で訪れました。

鉄(くろがね)門前

鉄門前の土橋です。

近鉄郡山駅方面から郡山城址を訪れる方は、ここが正面入り口となるでしょうか。

第60回のお城まつりの看板が見えます。

この看板を見ると、今年も春が来たなあと思います。

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平日14時頃でしたが、たくさんの方が訪れていらっしゃいました。

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土橋の上から五軒屋敷堀を望む。

内堀と追手門周辺

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水堀に桜が映えますね。

陣甫曲輪を抜けて追手門へ向かいます。

 

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追手向櫓下の桜。このあたり夜桜だとほんとに綺麗ですね。

子どもが大きくなったら久しぶりに夜桜も見てみたいです。

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追手門から本丸の常盤曲輪(城址会館のあるエリア)へ入ります。

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多聞櫓に開設されたお土産館

今回のお城まつりは、感染予防対策から露店の出店がなく、こちらは数少ない売店になっています。

金魚グッツ」って一瞬「なんだ!?」と思いました。

念のためググりましたが見つからず、たぶん金魚グッズのことでしょう。

ちょっとかわいかったです。

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追手向櫓裏の桜。綺麗に咲いてます。

極楽橋

さて、今回最大のお目当て、極楽橋です。

江戸時代の郡山城には二つの木橋が架けられていました。

一つは郡山高校前から柳澤神社へのルート上にあった竹林橋。

こちらの橋は、二の丸にあった城主居館から天守曲輪にアクセスするための橋でした。

 

もう一つは、毘沙門曲輪(柳澤文庫のあるエリア)から天守曲輪を結んでいた極楽橋で、実は極楽橋を渡って天守曲輪へ至るルートが、大手から本丸に至る郡山城の正式な登城ルートだったのです。

 

二つの木橋は、ともに明治6年の廃城令以降破却されましたが、二の丸に現在の郡山高校が創立されるにあたって、それまで二の丸にあった柳澤神社が本丸の現在の位置に移転。

かつて竹林橋がかけられていた場所に土橋が構築され、以降本丸、柳澤神社へのメインルートとなります。

 

一方、極楽橋は再建されることはなく、かつての郡山城本丸への正式なアプローチは、長らく幻の登城ルートとなってしまったのです。

そんな幻の極楽橋が、2021年春、約150年ぶりに復活したのです。

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施工は熊谷組とその委託を請けた鵤工舎

鵤工舎といえば、最後の法隆寺宮大工棟梁にして、薬師寺復興伽藍の棟梁としても知られる西岡常一棟梁ゆかりの伝統工法を受け継ぐ、宮大工さんたちの会社です。

※西岡棟梁については下記の記事でご紹介しています!

www.yamatotsurezure.com

極楽橋再建にあたっては、宮大工たちに継承された日本の伝統工法が、存分に活かされたそうです。

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出来立ての橋は、木の佳い香りが残っていました。新築の匂いです。

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極楽橋から天守曲輪を望む。

門の先にあった白澤門も復活してくれれば、さぞ壮観でしょうね。

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極楽橋から内堀北側を望む。これまで見ることのできなかった景色で、とても新鮮!

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極楽橋から毘沙門曲輪を望む。

こちらも今まで見ることのできなかった景観で、とても新鮮です。

ぜひ一度、鉄門~追手門~極楽橋を経由して天守曲輪に至る、郡山城の正式な登城ルートを皆さんもご体験ください!

 

天守曲輪

天守台に登ります。

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天守台から常盤曲輪の城址会館を望む。

うっすら若草山が見えています。

当日は黄砂が飛来してまして、ちょっと空がもやっております。

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天守台から内堀西側を望む。このあたりは桜の密集度が高い地域の一つですね。

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いったん常盤曲輪へ戻り、内堀の外周をまわります。

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西側から天守曲輪を望む。

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今年はお城まつりのぼんぼりも復活。

やはりこれがないと、郡山城に花見に来た感じがしないところもありますね。

まあ、ぼんぼりなどが全くなかった去年の景観は、ある意味貴重な光景だったのかもしれません。

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展望スペースから天守台を望む。

そういえば、こちらの展望スペースのちょうど裏側、かつて城内高校が建っていた、御厩、緑曲輪のエリアがすっかり整地されていました。

この広大なエリア、市のほうで観光振興目的で整備される予定のようです。

どのように活用されていくのか、楽しみにしたいと思います。

鰻堀池、鷺池

郡山城内郭を出て、西側の内堀だった鰻堀池に出ます。

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ここはほとんど地元の人しか訪れない場所なんですが、実は桜の密度や水堀と桜のコントラストがとても美しいスポットなんです。

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桜のトンネルをくぐる遊歩道。

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風がなく、天気の良い日の朝に来ると、真っ青な堀の水面に桜が映って本当に美しい場所です。

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続いて、これも南側の内堀だった鷺池。

水面に映った桜がきれいですね。

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鰻堀池、鷺池には亀や鯉、鴨などの動物もたくさんいて、それをぼうっと眺めるだけでもかなり癒されます。

 

今年は暖冬の影響もあって桜の開花が早かったですね。

4月を待たずに吉野ですら既に7分咲きとか。

年々桜の開花時期が早くなってる気がして、桜というと入学式というイメージもありましたが、今年とかはすっかり葉桜でしょうか。。。

お城まつりもそうですが、各地の桜まつり系のイベントも、そのうち時期がずれてきたりするかもしれませんね。

 

それにしても、今年は無事にお城まつりが開催されてよかったです。

来年こそは、マスクも外して、たくさんの露店で賑わういつものお城まつりが、開催されてくれることを祈るばかりです。

 

もっとも、新型コロナ感染症がなくても、私はこの時期、花粉症でマスク姿なのですが(苦笑)